【トーマス!ドフォーレ商会の悪事をくい止めろ!】
ある日、お客様が家に来ました。彼の名前は『フルブライト23世』ビジネス界のベテランです。
そんな彼が、僕を訪ねにウィルミントンからシノンまではるばるやって来たのです。
「何故、そんな彼が僕を訪ねに来たのだろうか…?」
僕はそう思いながら、席に着きました。
「君に頼みが有るんだが、聞いてくれるかい?」
「はい。」
「実は、会社の経営を君にお願いしたいんだ。」
「エッ!?」
僕は驚きました。まさか、いきなり会社の社長を任せられるなんて思いもよらなかったからです。
「どうだろう?真面目な君になら、出来ると思うんだが…。」
「は、はい!是非やらせてください!」
僕は、即答した。
「それは良かった!では、宜しく頼むよ!」
「はい!」
「あ、そうだ。もう一つ言う事があったんだ。」
「…と、言いますと?」
「実は、ドフォーレ商会という企業があるんだが、そのドフォーレ商会が麻薬などの密輸を影で行っているそうなのだ…。
 そこで、君にお願いしたいのだが、このドフォーレ商会を少し懲らしめてくれないか?」
「え!?そんな大企業を僕がですか?」
「そうだ。君は、なかなか商売が出来そうな顔だから、お願いしたい。」
「り、了解です。」
今、思えば、フルブライトさんは商売文句が上手な人だったな。と、思います。
僕は、いともたやすく大役を任せられましたし。
あ、すみません。雑談を挟みましたね。
話を昔に戻しましょう。
−ピドナ
大役を引き受けられた僕は、どうしようか迷いました。
すると、お爺さまが相談にのってくださいました。
「まず、子会社を集めることが大切だよ、トーマス。」
「…と、言いますと、お爺さま?」
「そうだなぁ…。お、そうだ。そうだ。まず、ファルスへ向かうと良い。」
「ファルスですか?」
「そうだよ。トーマス。ファルスは、物件が安いからトレードしやすい。それに、環境も良い。オススメだな。」
「そうなんですか!お爺さま!では、早速ファルスへ向かいます!」
こうして、僕はファルスへ向かいました。
−PUB内
僕は、ファルスの商売エージェント・PUBのマスターに話しかけました。
「お!お客さん!一杯どう?」
「いえ。お酒はいいんです。」
「ん?それじゃぁ、どういった御用で?」
「貴方、ファルスの商売エージェントですよね?」
「あぁ、そうだが?それが、どうした?」
「実は、物件のトレードしにピドナから来たのですが…。」
「おぉ!それじゃぁ、あんた社長かい?」
「えぇ。まぁ。」
「若旦那って訳か!格好いいねぇ!よし。ファルス内の会社を手配しよう!」
「ありがとうございます。」
−トレード初日
「ついにこの日が来たな…。相手は、ファルス造船か…。相場10万ってホントに安いのかなぁ…?」
「お?貴方がトーマスさんですね?私、ファルス造船の社長です。宜しく。」
「宜しくお願いします。」
「では、ウチの社員の心をどれだけ動かせるか…。いざ!勝負!」
トレード開始!
「8万出しますぞ。」
「は、8万…。お爺さまは、どうしろって言ってたかなぁ…?あ、そうだ!確かシノンの牧場が子会社にあったはず!資金の要求をしてみよう!
 よし!3万出してもらえたぞ!…でも、まだ足りない…。」
「どうしましたか?トーマスさん?それで、お手上げですか?そんな事ではウチの社員の心は動きませんぞ?わっはっは。」
「うーん…。どうするか…?あ!確かトレードに利用できるお金が我が社にあったんだ!よし!これで足りるぞ!
 僕は、我が社の資金から7万出します!」
「な…何!?10万だと…。な、ならばこちらは3万出しますぞ!」
「ど、どうしよう…。ん?こ、これは!同盟!そうか!フルブライトさんの所と同盟を組んでいたんだ!よし!行ける!
 同盟資金!3万オーラム!」
「うぬぬ…。もう出す金が無い…。トーマス君、少し我が社で話し合いをさせて頂けるかな?」
「はい。」
−ファルス造船社内
「社長!どうしますか?私たちは、あの社長についていきたいんですが…。」
「ならぬ!他の会社の下に行くなど私は反対だ!」
「でも…。私、見たんです。あの社長がさわやかに微笑む姿を!あんな素敵な笑顔、社長に出来ますか?」
「うっ…。」
「私は、決意しました!あの社長についていきます!」
「そうか…。なら、そうしよう。」
−再びトレード現場
「トーマス君。話し合いがすんだよ。」
「それで、どうなったんですか?」
「トーマス君!いや、トーマス社長!貴方についていきます!」
「ホントですか?!ありがとうございます!」
こうして、ファルス造船を我が社の物にしました。
僕はそれから、次々と子会社を増やしました。
そして、月日は流れ…。
ついに、ドフォーレ商会とのトレードの時がやって来ました。
これは、雑記ですが、この時ドフォーレ商会は全国1位の大企業。僕の会社、『トーマスカンパニー』は、全国2位でした。
フルブライトさんの会社、抜いちゃったんですよね。
まぁ、話を戻しましょう。
ついに、ドフォーレ商会とのトレードの時がやって来ました。
−トレード会場
「君かね?我が社を出し抜こうとしているのは?」
「ドフォーレ商会。貴方の会社は麻薬などの密輸をしているそうですが…。本当ですか?」
「…。その話、誰に聞いた?」
「フ、フルブライトさんです…。」
「そうか。ということは、君はフルブライト君の知り合いか…。」
「は、はい。」
「…。空気が濁ったな。では、早速トレードを開始しよう。」
トレード開始!
「私は、我が社を絶対守ります。71億出しましょう。」
「71億ですか…。よし。こちらは、これで行こう!グル−プ!イスカル水運!『イスカル水運を知る者よ!来たれ!』」
イスカル水運は100億出しました。
「な…。100億…。ならば、30億出しましょう。」
「30億か…。よし。かけひき技を使おう。まず、早馬を買っておこう。」
「次は…教授のダンスを踊ってみよう…。少し恥ずかしいなぁ…。」
クルクルクル…。
ドフォーレ商会は見とれている。
「よし!効果あり!それじゃぁ、次は…。時代の風を使ってみよう!『風が…くる…!』」
ドフォーレ商会は、心動かされた。
「よし!行けるぞ!次は…。我が社資金で少しカバーしよう。3億だそう。」
「うっ…。」
「それじゃぁ、次はプレゼントを出してみよう。」
ドフォーレ商会にプレゼントは、効かないようだ。
「ダメか…。ならば…。」
「一寸待った!私の事を忘れられては困るな。私は70億だそう!どうだ?」
「7…70億…。こっちにはもう、資金が…。ん?これは、使える!使えるぞ!グループ!マンマ・メッサーノ!『マンマ・メッサーノを知るものよ!来たれ!』
マンマ・メッサーノは80億出しました。
「やった!逆転!」
「ぐっ!このままでは負けてしまう…。どうすれば…。そうだ!社員をパーティーへ招待しよう!」
ドフォーレ商会には効果が無いようだ。
「なっ!?社長の誘いを断っただと!?」
「ドフォーレ商会の社長さん。あなたは、もうこれで終わりです。悪事を止めてください。」
「むっ…。そうか…。やはり、危険な物に手を付けて金を稼ごうというのは、ずるいことだったな…。」
「そうです。麻薬なんて手をつける物ではないのです。」
「…トーマス社長。君には大事なことを教えてもらったよ。ありがとう…。」
「分かればいいんですよ。」
「君は、いい人だな。私は君の会社の子会社になろう!」
「これで、悪いことに手を付けなくなりましたね。」
こうして、ドフォーレの悪事はくい止められました。
−ウィルミントン・フルブライト宅
「良くやってくれたな。トーマス君。」
「もったいないお言葉ありがとうございます。」
「これは、少しだけど、報酬金だよ。武具や防具をそろえてくれたまえ。」
「1万オーラムも!?ありがとうございます。」
「これからも、がんばってくれ。」
「はい!」
『トーマス・ベント』
若き社長。
今や、世界一の会社を経営する立派なビジネスマン。
そう。商売界のベテランである。


[ No,733  紅華様 ]

-コメント-
トレードイベントを題材にした小説です。
お金の単位はうろ覚えなので、アドリブで書きました。つまり、
「この話はフィクションであり実際の内容とは異なる場合がございます。」
っていうやつです。
まぁ、「こんなイベントあったなぁ〜。」
程度で気楽にお読み下さい^^